フローレンス・ナイチンゲール記章は、紛争下において敵味方の区別なく負傷者を保護する役割を担う赤十字が、1907年および1912年の赤十字国際会議において、顕著な功績のある世界各国の看護師を顕彰し、授与することを決定したものです。ナイチンゲール女史の生誕100周年を記念して、1920年に第1回の授与が行われました。それ以来、隔年でナイチンゲール女史の生誕の日にあたる5月12日に赤十字国際委員会(ICRC)から発表されています。この度、当支部で初の受章者である松守 敏(まつもり とし)様の記章を、熊本で働く赤十字職員の皆様の心の支えになれば、とご家族より当支部へ寄贈いただきました。
松守様は1898(明治31)年に熊本市で生まれ、日本赤十字社本社救護員養成所を経て、日本赤十字社熊本支部外勤部に勤務されました。1921(大正10)年に第五看護婦組織臨時救護班としてシベリアへ派遣されて以降、通算17年5カ月に渡り陸軍病院や捕虜収容所など戦地での救護業務に従事されました。1954(昭和29)年に帰国以降も、1979(昭和54)年までの40年5ヶ月もの長きに渡り看護師として勤務し、戦地での献身的な救護業務が評価され、1981(昭和56)年に第28回フローレンス・ナイチンゲール記章を受章されました。
寄贈いただいた記章および章記を現在、熊本赤十字会館1階の展示ホールにて展示しております。皆さまも是非この機会にご覧ください。