日赤発祥の地・熊本 〜連載企画〜

連載24 日本赤十字社の創設者 佐野常民

日本赤十字社の前身である博愛社を創設するため、熊本に訪れた佐野常民とはどのような人物がったのだろうか。 佐野 常民(さの つねたみ、1823年2月8日(文政5年12月28日) – 1902年12月7日)は、「日本の武士・佐賀藩士。明治期には元老院議員となる。日本赤十字社の創始者。官職は枢密顧問官、農商務大臣、大蔵卿。勲等は勲一等。爵位は伯爵。称号は日本赤十字社名誉社員。佐賀の七賢人に挙げられている。名は栄寿、栄寿左衛門。子は佐野常羽」である。  彼は、15歳から30歳までの約15年間は医業を中心として幅広い学術に没頭したが、30歳から48歳までの約18年間は医業をやめ海軍の創設に没頭している。それは政治的ではなくあくまでも技術的としてである。詳細は以下のとおりである。佐野常民

彼は1823年2月8日(文政5年12月28日)に佐賀藩士下村三郎左衛門(充贇)の5男として佐賀(肥前国佐賀郡早津江村 現・佐賀市)に生まれ、幼名は鱗三郎。 日本の武士で佐賀藩士であった。1831年(天保2年)8歳のとき佐賀藩医佐野常徴の養子となり、佐賀藩の前藩主から栄寿の名を授かった。 佐賀藩校・弘道館に学び、1838年(天保9年)には15歳で江戸へ遊学、古賀侗庵に学ぶ。翌年に佐賀の弘道館で考証学を、松尾塾で外科術を学んでいる。1846年(弘化3年)23歳で、京都で広瀬元恭の時習堂に入門し、1848年(嘉永元年)には25歳で大坂の緒方洪庵の適塾で学び、さらに紀伊で華岡青洲が開いた日本最初の麻酔手術で有名な春林軒塾に入門する。適塾では大村益次郎他明治維新で活躍する多くの人材を知ることとなる。 その後、1849年(嘉永2年)26歳、江戸でシーボルトに学んだ著名な蘭方医伊東玄朴の象先堂塾に入門し、塾頭となる。江戸では戸塚静海にも学んでいる。常民は医学のほか、蘭学、物理学、冶金、造船、砲術など幅広い学術をおさめた。

この頃常民は、世界情勢などにも詳しくなり勤皇運動に傾倒。藩の知るところとなり、急遽佐賀に戻るよう命じられている。1851年28歳 で長崎に蘭学塾を開くが、ペリーが来航した1853年30歳で藩主鍋島直正の命により佐賀に帰り、精煉方の主任となり医業をやめるにいたった。藩主からは、剃髪から畜髪にするよう言われ、栄寿佐衛門の名を授かった。この精錬方は、今で言う理化学研究所で、化学実験や、薬品や器械の製造や、汽船や汽車のひな型の制作を行うところだ。当時の佐賀藩主鍋島直正が、長崎警備の強化を掲げるも、幕府が財政難で支援を得られなかった事から、独自に西洋の軍事技術の導入をはかり設置したもので、反射炉などの科学技術の導入と展開に努め、その結果、後にアームストロング砲など最新式の西洋式大砲や鉄砲の自藩製造に成功し、1855年には日本初の蒸気機関車模型を完成させている。それらの技術は藩主直正の母方の従兄弟にあたる島津斉彬にも提供されている。パリ博に薩摩藩と合同で出展する間柄だったのだ。

凌風丸

転機が訪れ、佐野常民は、1855年(安政2年)6月、32歳で長崎の海軍予備伝習に参加。同年8月に幕府が開設した長崎海軍伝習所に佐賀藩から常民を筆頭に48名が第一期生として参加。ここでは、一期生には薩摩藩から川村純義、二期生には幕臣の榎本武揚、三期生幕臣の松本良順がいる、また、幕臣の勝海舟は一期生から三期生として在籍している。医学・舎密学(化学)の教師は ポンペ・ファン・メーデルフォールトである。この頃、常民は、藩主鍋島直正へ海軍創設の必要性を説き、自ら海軍所の責任者となる。 1857年(安政4年)常民34歳、佐賀藩がオランダから購入した飛雲丸の船将となり、翌1858年(安政5年)、三重津海軍所の監督となる。 5年後の1863年(文久3年)40歳、三重津海軍所で幕府注文の蒸気鑵(ボイラー)を製作する。日本初の蒸気船「凌風丸」の建造に常民を中心としたプロジェクトチームが成功したのもこのころである。その後、1867年(慶応3年)44歳、パリ万国博覧会に参加し、その万博会場で国際赤十字の組織と活動を見聞し、オランダに行き、軍艦「日進」の建造を発注する。西欧諸国の軍事、産業、造船術などを視察して翌1868年(明治元年)に帰国している。

(支部 梶山哲男)

閉じる
  • ご寄付のご案内

    熊本県支部では、毎年継続した資金協力によって赤十字活動を支えていただくパートナー「赤十字会員」を募集しています。
    ここでは、ご送金方法、地域の赤十字窓口、また赤十字へのご寄付に関する表彰制度や、税制上の優遇措置などについてご案内します。

    さらに詳しくはこちら
  • 遺言・相続財産によるご寄付

    近年、遺言によるご寄付(遺贈)や、相続財産のご寄付のご相談が増えています。
    安心できる方法で、信用できる団体に寄付したいという思いは、皆さま共通しています。
    ご自分や故人の「救いたい」思いを赤十字へ―。
    遠慮なくお問い合わせください。

    さらに詳しくはこちら
  • お香典返しのご寄付

    お香典返しに代えて、赤十字を通じ、故人の遺志を社会に役立てられませんか―。
    お香典返しのご寄付のお申し出を承っています。
    ご希望により、ごあいさつ状等も作成いたしますのでご相談ください。

    さらに詳しくはこちら